ホームインスペクションとは?
“ホームインスペクション”という言葉をご存じですか?
一言でいうと“建物の状況調査(鑑定制度)”と言ったところでしょうか。
欧米ではこういったホームインスペクション制度はもともと導入されています。
さて、中古住宅の流通の割合を日本と欧米で比較したとき、実は日本の比率は欧米のそれと比べ圧倒的に少ないという現状があります。
その背景にあるのは、日本と欧米の住宅に対する考え方の違いと文化の違い、そして時代背景も大きな要因と言われています。
少し話がそれますが・・・。
“三匹のこぶた”のお話を覚えていらっしゃる方も多いかと思います。
こちらはイギリスの童話になりますが、三兄弟のこぶたがそれぞれ家を建て、お兄さんは“藁の家”、次男は“木の家”、三男は“レンガの家”を。
そこにある日オオカミがやってきて・・・というお話でしたよね。
ヨーロッパはそもそも地震が少ないこともあり、石造りの文化が根底にあります。(地震の多い国では石造りの建物は向きません)
そして、なおかつ石造りの家は丈夫で長持ちをするものであり、“改良し住み続けていく”という考え方があります。
一方で、日本は戦後の焼け野原の中から復興復旧のため、安く早く大量に生産できる家、
言わば“質より量”を重視しなければならなかったという時代背景もあったこともあり、自然素材の建材よりもいわゆる工業化製品の住宅が主流になり、
住宅寿命が必然的に短いものが多い・・・というのが現状です。
ですので、前述のヨーロッパやアメリカのように“改良し済み続けていく”という考え方よりも“住むのであれば新しい方が良い”という考え方が多くをしめているようです。
話を戻しますが、日本でも新築住宅着工戸数が年々減っていく中で、中古住宅市場を活性化していく目的もあり、
そういった事情も踏まえ、日本では2018年4月より中古住宅取引の際に、このホームインスペクションが義務化をされました。
あくまでも、目視で確認できる範囲で建物の健康状況を判断し、「欠陥住宅ではないか?」「いつごろ、どこに、いくらくらいのお金がかかるのか?」「あと何年くらいもつのか?」、
などのアドバイスも含め、売買の判断材料とすることで、中古住宅取引のリスクを軽減する目的として取り入れられています。
消費者にとっては有益な情報の一つとなりえるかもしれませんね。
ただし、私たちの視点から言えば、そもそもが、長持ちをする建材を使用しメンテナンスのコストも抑えられる家づくりをすることが重要であり、
そういった家づくりをしていけば、ホームインスペクションを実施した場合でも、一般的な従来の家づくりとは一線を画す付加価値のある住宅として認められていくのではないか・・・
と、思ったりもするのですが。。。
やはり、“国が認めた建材”を使わなければその価値は認められなくなるのでしょうか・・・?
今後の動向に注目です。